記念日を一緒に過ごしたい派・気にしない派8

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「だからさ、今のみんな有夏が欲しい物ってだけでしょ。そうじゃなくて2人の記念の……」

 

 ムスッとした表情で有夏がヨーグルトの蓋の裏をペロリと舐めた。

 

 今日は白桃のヨーグルトだ。これは幾ヶ瀬が好きなものである。

 

「……じゃあ、やわもちアイスにする? おいしいし、アレだったら幾ヶ瀬も好きだろ。それか、このさいダッツ?」

 

「うん、だいぶ近付いてきたよ! うーん……けど、そういうことじゃあ、ないんだな」

 

「なにこれ。クイズ?」

 

 何て噛みあわない会話だろう。

 

 クイズというわけでもないので幾ヶ瀬も黙ってしまう。

 

 その沈黙を、有夏は珍しく深読みした。

 

「記念って、まさかエロいカッコでプレイとか!?」

 

「えっ?」

 

「まさかハダカエプロンとか考えてんじゃ?」

 

 瞬間的に想像が広がったか、幾ヶ瀬が白目を剥いた。

 

「……いや、違うな。有夏の裸エプロンはどう考えても罰ゲームって感じで、肝心のエロさが感じられないな。恥じらいなく着てそう。それはちょっと……違うんだな」

 

「まさかの駄目出し!?」

 いっそ俺が着る方がイイのかも……なんてブツブツ言っている。





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