いいところ1

【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】


 浅くて早い息づかい。それから吐息。


 灯かりのない室内を淫らな音が満たしていた。


「カーテン……」


 囁き声。


 咎めるような響きは、しかし指先が粘膜を弄うその音に呑まれてしまう。


 窓の外には街灯が設置されている。


 青白い灯かりが、ぼんやりとこの2階の窓にも届いていた。


 壁にもたれるように足を投げ出し、ベッドに腰をおとしているのは細身の男だ。


 薄くて頼りないTシャツのほかは何も身につけておらず、伸びた足が外からの灯かりに白く照らされている。


 つと──足指から脛を、指が這う。


「んっ……」


 堪えるように微かな吐息を漏らしたのは有夏である。

 膝をすべる指が、止まった。


 躊躇かとおもいきや、手は容赦のない動きをみせる。

 膝の裏をクイと持ち上げると、左右に開いたのだ。


「ちょっ、まっ……んんっ」


 窓から滑り込む青白い光の下、すべて晒して。


 反対に有夏は自らの両手で顔を覆った。


「何で顔、隠すの?」


「いいところ2」につづく




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