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まぁ、不満を露わにするのも無理はない。
同じ番組を1ヵ月に二度は見て、幾ヶ瀬独特の表現で感想を聞かされているわけだから。
しかも回を追うにつれて、稲川大先生は「怪談の神」から「文学・エンタメ界のダ・ヴィンチ」「二千年に一人の天才」と称されるに至り、今日はついに「人類の救世主」と表現されるに至った。
ものすごい出世である。
救世主に陶酔する幾ヶ瀬の耳には、有夏の苦情の声など届いちゃいないのだろう。
「ほぅ……ほほぅ……」と何度も息を漏らすと座布団に座った。
スッと真顔になる。
「それより思ったんだけど有夏、みかん食べ過ぎじゃない?」
「話飛ぶなぁ!」
有夏のツッコミ。
話題が稲川大先生から、まさかの「みかん」へ着地した。
「いや、だって。ほんの一瞬目を離した隙に、みかんの皮が積みあがってるから」
食器を洗っている僅かな間に、卓の真ん中にみかんの皮が積まれている現象。
幾ヶ瀬的には、このひと月ほど悩まされている怪現象である。
「こわい☆みかん3」につづく
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