こわい☆みかん(6)

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「はぁー、ヤレヤレ。寝っ転がると楽だー」


 身も蓋もないセリフを吐きながらも、膝枕で甘える有夏。

 なんて可愛いんだろうと幾ヶ瀬は唇を寄せる。

 しかしその鼻先に、有夏の手の平がスッと差し出された。


「あ、ムリ」


「えっ?」


 みかんがまだ口の中に残っているのか、モゴモゴと口を動かす有夏の顔を、幾ヶ瀬はしばし見つめる。


「もごもご。お腹いっぱいだし。みかん食べてるから。そういうの、ムリ」


「あの……俺、明日休みなんですけど。驚異の2連休なんですけど……」


「いやいやいや。だってみかん食べなきゃ。今の有夏の口はみかん食べるためにあるから」


 真顔の有夏。


「怖っ」


 さきほどの怪談よりもずっと薄ら寒いものを感じたか、幾ヶ瀬がじりじりと身を引いた。

 ゴンッと派手な音をさせて有夏の頭が床に落ちる。


「みかっ」


 コイツ……「痛っ」って言うところを「みかっ」って言った。


「こわい☆みかん7」につづく
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