最後の攻防(4)

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 悟ったように「ムシハワカナイ」と連呼していた有夏だが、すぐに飽きたのだろう。

 渦中のコタツにもぐりこんだ。


「あーあ、有夏の部屋があったら年中コタツ置くのにな。で、アレはどうだったよ、幾ヶ瀬?」


「……有夏の部屋、隣りにあるじゃない。こたつなんて置くスペースもないくらいゴミ溜めだけど」


 幾ヶ瀬は時に辛辣である。

 しかし拗ねるかと思った有夏が、目をキラキラ輝かせて「だから、アレ」と己を見上げる様子に、ふと表情を緩めた。


「アレって何?」


 怪訝そうに首を傾げた幾ヶ瀬の前で、コタツから少しだけ出た指が四角の形を描く。


「だからアレだって! ロクオクエン! どうよ?」


「あぁ……」


 幾ヶ瀬の反応は鈍い。

 前回の宝くじの話を作者はまだ引きずっているのかと、うんざりした表情である。


「最後の攻防5」につづく

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