春の嵐(22)【完】

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 「んっ……」


 内部を幾ヶ瀬のそれで充たすと、息を荒げながらも有夏は微笑した。


「きもちい……」


「んん……有夏ぁ、駄目だって。そうじをぉぉぉ……」


 声がうわずる。

 だめだ……と、幾ヶ瀬は呟いた。

 大切な「掃除三か条」が頭から消え、思考がフワフワと宙を舞い始める。


 有夏が気持ち良さそうで嬉しい。

 いや、俺も気持ちいいんだけど……。


 有夏が腰を動かすたびに幾ヶ瀬の唇から息が漏れた。


「ありか……ありっ……んっ」


 掃除のことは頭から完全に飛んでしまった。


 気持ち良くて。

 でも、何だか奪われたような気分で。


 たまらない。春の嵐に翻弄されるのが、ただもう気持ち良くて。




 例によって、翌日。

 掃除地獄に幾ヶ瀬は陥ることになる。


 ──畳めども畳めども片付かない段ボール。

 ──オバケのような緩衝材。

 ──サボり倒す有夏。

 ──「イーッ!」と叫ぶ羽目になる自分。


 しかし、この時の幾ヶ瀬はそんなことどうでもよかった。


 だって、えっちの最中だもん。

 だって、真っ最中なんだもん。


「春の嵐」完

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