春の嵐(3)

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 だが、有夏はケロリとした顔だ。

「もうすぐ?」なんて言ってのける。

 語尾が上がっているので、これは疑問形なのだろう。


「何で俺に聞くの!? 電話してたの有夏でしょうが! もうすぐって…今日!? えっ、もうすぐ来るってこと!?」


「多分ね。なに? キャーキャー言うなよ」


「キャーキャーって何? 有夏、自分の事でしょうが!」


「幾ヶ瀬、すぐ怒るしぃ」


「いやいやいや、有夏サン? 自分の・ことで・しょうが!!」


 ハァハァと息を切らしながら、幾ヶ瀬はもう一度「自分・の・せい・で・しょう・がぁぁ!」と叫んだ。


 しかし言葉を区切ることで怒りを伝えようとしたって、この男に通じやしないのは分かっている。

 案の定、有夏は口をとがらせて小首を傾げているだけだ。

 心底、不思議そうな面をしている。


「春の嵐4」につづく

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