春の嵐(17)

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「有夏、裾持って……」


 ずり落ちてくるジャージとTシャツを有夏の手に押し付けるとき、頬を赤らめて何とも言えない神妙な表情の彼と視線が絡み合った。


「はぁ、かわいい。有夏……」


 ──じゃなくて、と、幾ヶ瀬の表情が固まる。


 そうだ、大学に行かないと罰金だって伝えなくちゃいけないんだった。

 あのお姉さん、とにかく怖かったし、伝言の役目だけはちゃんと果たしておかないと。


 大学に行く、行かないは有夏の自由だし。

 罰金を払う、払わないも有夏の自由だし。

 とにかく伝えさえすれば俺に火の粉が飛んでくることはない……はずだし。

 連帯責任みたいに俺が罰金をしょい込むことなんてならない……はずだし。

 ああ、待って。ズルイって言われたらどうしよう。


 その場で頭を抱える幾ヶ瀬。


「だって、俺のせいじゃないし! 俺、別にズルくないし!」


「はぁ? 何言ってんの、幾ヶ瀬」


 有夏の呆れ顔を直視せずにすむよう顔を背け、幾ヶ瀬はおずおずと切り出した。


「ごめ……あの、罰金が絡んでるからちゃんと言うけど。その……」


 口を開きかけた時のこと。

 有夏の唇から吐息が漏れた。


「もう! 幾ヶ瀬、はやく!」


「春の嵐18」につづく

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