春の嵐(18)

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「う、うん……」


 あれ、なんかボンヤリしてきたなと幾ヶ瀬は次の言葉を言い淀む。

 学校がどうとか、……有夏の姉がそんな話をしていたっけ。

 でも、上着の裾を握り締めてこっちの顔をじっと見つめる有夏の、その瞳が揺らぐ様まで可愛くて、そんなことどうでもよくなってきた。


「有夏、可愛い……」


 乳首に舌を這わすと、思いきり吸い付いた。

 両頬がへこみ、はしたない音を立てるくらい強く。


「うぅ……っ、いくせっ?」


 乱暴だったかもしれない。

 有夏の悲鳴とも嬌声ともとれぬ声を耳に、もう片方の胸に指を這わす。

 突起をつまむと、有夏の腰がビクリと震えた。


「いくせっ……それだめ……」


 べそをかいたように、声が何だか情けない。


「何? これだけでイッたの?」


「ちがうよ……」


 そういうわけではないことは、ジャージ下の膨らみを見れば分かる。


「パンツきもちわるい。ぬぎたい……」


 先走りで汚れたのだろう。


 胸から手を放してやるが、有夏は裾をまくったままの姿勢でじっとしている。

 ヤりたがるくせに行為の際、有夏は完全に受け身だ。されるがままになっている。


「うふっ、しょうがないな」


「春の嵐19」につづく

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