【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
ひでぇ、と有夏が呟く。
「生ごみはないから全然マシな方だって、幾ヶ瀬言ってたのに……」
「いや、それは言葉の綾ってやつで……。いや、待って。全然マシなんて言った覚えはないけどなぁ! だって有夏、あの汚部屋! あの惨状!」
「そこまで言うとは……」
「ごめ……」
俯く有夏の頬に手を差し伸べかけて、幾ヶ瀬は「ハッ!」と息をのんだ。
危ない危ない、無条件に謝りそうになったと小さく呟く。
「違うし! 何で俺が悪いみたいになってんの? おかしいよね? 今しなきゃいけないのは掃除だよね? 誰の部屋の掃除なの? 有夏の部屋だよね? それに有夏、俯いて泣いてんのかと思ったら、マンガ読んでるだけだよね!」
「ごめんー」
たたみかけられ、調子に乗っていた有夏もしょんぼりとうなだれる。
しかし、膝には乗ったままだ。一向に立ち上がる様子はない。
「幾ヶ瀬、怒んなって……」
「ごめん……怒ってないし」
《PR》
0 件のコメント:
コメントを投稿