【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
幾ヶ瀬の肩に額を押し付けて、そればかりか上体に体重をずっしり預けてきた。
見た目ほど落ち込んでいる訳じゃないと思う──そうは思うが。
「あり……」
息を吸うと、甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
幾ヶ瀬も有夏の髪に顔をうずめた。
息を深く。吸って、吐く。
「ありか、いいにおい……」
ああ、そうか。コイツはさっきまでお菓子を食ってたな。
ラムネを大量に食べてたな。
うん、これラムネの匂いだ。
あと、ひきこもりで外に出ないから汗をかかなくて、だから良い匂いなだけなんだ、うん。
「うんうん」と、噛みしめるように幾ヶ瀬は頷いた。
うん、からくりは分かった。
分かったところで、しかし、この状態はどうしようもない。
掃除、という単語が頭の中から急速に霞んでいく。
ほんの少し、手を伸ばした。
膝の上に乗っている有夏の腰に触れる。
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