【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「ほほぅ、幾ヶ瀬?」
「ほ、ほほぅって何?」
「ほほぅ、続きを?」
有夏の顔がニヤついていることに、幾ヶ瀬は気付いた。
そういやさっきは寸前で中断させられたんだった。
有夏ときたら、今もそのノリのつもりなのだろう。
あるいは大学とか罰金という話題が嫌で、回避しているつもりなのかもしれない。
こちらとしては何だか春の嵐に巻き込まれたようにドッと疲れて、その気も失せてしまったのだが。
これが毎日家にいて元気を持て余しているニートと、常に疲労困憊な労働者の差であろうか。
「何だ、しないのかよ」
幾ヶ瀬の呆れたような表情を見て、有夏は口を尖らせた。
所在なさげに下ろした手を次の瞬間、幾ヶ瀬がつかむ。
「……待って。しないとは言ってない」
「はぁ? 何だよ、その言い方……もぅいいよ」
「待って待って! するする!」
返事も待たずに手を伸ばすと、ジャージとTシャツの裾をまとめて上へずり上げた。
突然、晒されたせいか。
薄い桃色をしたそれがキュンと縮むように立ち上がる。
遠慮する様子もなく両手でつまんで、指の腹を使ってこすり合わせるように触ると、それは見る間に固くなっていった。
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