【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
取り込んだばかりのタオルを膝で踏みしめながら、有夏がにじり寄ってくる。
「姉ちゃんがくるって。有夏の部屋、今グチャグチャだ……」
またか!!
前にも同じことがあった。
完全に同じことがあったよなと思い起こす。
「今グチャグチャじゃなくて、いつもグチャグチャなんでしょ」
「うわ……」
「前に俺がきれいに掃除してあげたでしょ。何でその状態を保てないの」
「うわぁ……」
常に幾ヶ瀬家に入り浸っていて、隣りの自分の部屋に戻ることなどない有夏が、なぜ凝りもせずゴミ屋敷を拵(こしら)えてくれるのか。
説教を垂れても無駄であることは経験上、嫌というほど分かっている。
「……しょうがないな。いつ来るの?」
ため息は自分に向けてのものだ。
我ながら甘い、と。
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