【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「胡桃沢家の姉、怖ぁ……」
得体の知れぬ凄みに、幾ヶ瀬も緊張していたのだろう。
ふぅと吐く呼吸の長いこと。
ふらつく足取りで部屋に戻ると、バルコニーから有夏がこそこそ入って来る様が目の前に。
「有夏、間男みたいだよ……」
「え? まおと……なに? まお?」
──これは確かに。本物の馬鹿だ。
いろいろ突っ込みたいことはあれど、黙って包みを差し出す。
「ちょっと名前聞きそびれたけど、毎年行ってるビーチのお土産だって」
「ヌーディストビーチ?」
「うふ……えっ、何!?」
条件反射で「うふふ」と言いかけて、幾ヶ瀬は目を見開く。
「今、何て? ヌーディ……?」
「涼華姉だろ、今の。毎年アメリカのヌーディストビーチに行ってんだよ。本当の自分に戻れるんだって」
「………………」
「なに? どした?」
「胡桃沢家……結構濃いのな」
「そぉ?」
「春の嵐14」につづく
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