幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル20

 【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】


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 ──あたたかい。

 まぶたに、頬に、額に、やわらかな熱が降り注ぐ。

 

「……天国?」

 

 呟いた瞬間、すさまじい力で肩をつかまれて振り起された。

 

「ヤだわ! この子、こんな所で寝て!」

 

 状況を理解するより先に視界に飛び込んできたのは、真っ赤な服を着た小太りのオバチャンだった。

 ものすごい量の荷物を抱えながら、アタシの肩を揺すっている。

 

「痛ッ、痛ッ痛ッ!」

 

 カバンの角が当たるたびにアタシは悲鳴をあげた。

 この痛み──間違いない。現世だ。

 このオバチャンも天使なんかじゃない。

 

 太陽の光の下、不気味さは完全に消えているが、ここは夕べ侵入した学校に他ならない。

 少し落ち着きを取り戻して見回せば、玄関前のコンクリートの上で寝転んでいると分かる。

 つまり、ブッ倒れた位置から1ミリたりとも移動させられることなく転がされていたってことだ。

 

 キョロキョロと周囲を見渡すが、隣りの2人の姿なんて見つかるはずもない。

 信じらんねぇ! ヤツら、あの状態で倒れたアタシを放ったらかして家に帰りやがったのか。

「幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル21」【完】につづく





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