幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル19

  【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】


「ハックショーーーン!」

 

 大きなクシャミとともに、幾ヶ瀬が起き上がったのだ。

 

「ヒィィ……」

 

 ビ、ビックリした……。

 腰から、そして全身から力が抜ける。

 ヘンタイメガネと入れ替わるように、アタシの身体はコンクリ地面に倒れ込んだ。

 キョロキョロしながら幾ヶ瀬のヤツ、アタシを見下ろす。

 

「有夏は?」

「し、深夜アニメを……」

 

 いまわの際の言葉だが、メガネは「ああ、そっか」と気楽に頷いただけだった。

 次いで「ありかぁぁーー」と叫びながら校門の方へ走り出す。

 

「ありかぁぁ、そのアニメは俺が録画しといたよぉぉ」

 

 薄れゆく意識の中、アタシは隣りの薄情な2人の後姿を見送る。

 まぶたがピクピクと痙攣し、視界が徐々に狭くなるのが分かった。

 喉の奥で「グーッ」と地響きのような音が鳴り響く。

 

 えっ、アタシ死ぬの?

 

 アタシの、いまわの際の言葉「し、深夜アニメを」かよ。

 勘弁してくれよ。

 

 目の前が暗くなる。

 ああ、神様……生まれ変わったら推しカプの家の壁に、そして天井になりたいです。

 

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