夏だから…怖い話(2)

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「あひゅい…あっひゅい……あっひゅぃいいぃ……」


「ちょっと、食べたんならお皿片付けてよ」


「あっひゅい…あっひゅぅい……」


「有夏、お皿……もぅ仕方ないな」


 下敷きでパタパタ仰いでいる姿に根負けしてリモコンのスイッチを押してやると、有夏ときたら現金なもの。

 「うひゃーーーっ」と歓声をあげて起き上がった。


 負けた感じがして少々悔しい思いはするものの、エアコンから吹き出てくる冷風にホッとしたのは幾ヶ瀬も同じだ。


「温度はすこし高めにして扇風機と併用すると効率的だよ」


「んぁ?」


「角度を少し上向きにして首振り設定にすると、部屋中に冷たい空気が行き渡るでしょ。サーキュレーターっていう専用やつもあるけど、こんな狭い部屋なら扇風機で十分代用できるしね」


「うん? なにが?」


 幾ヶ瀬先生による暑さ対策講座か?

 急に説明口調になった幾ヶ瀬に、怪訝な表情を向ける有夏。


「夏だから…怖い話3」につづく

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