夢は売りもの6

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「有夏は無駄遣いが過ぎるよ? そんなに欲しいものなら自分で買いなよ?」


「うっ……」


 有夏の目元が強張る。


「……これはアレか? アレなのか?」


「何がアレなの、有夏?」


「急に大金をゲットした大人は性格が変わるという現象が今、有夏の目の前で……」


「な、なにそれ……」


 核心をつかれたとばかりに、幾ヶ瀬が怯む。


 彼のその態度に、有夏も喉を鳴らした。


「……てか、いくらなんだよ。幾ヶ瀬?」


「や、やだな、幾らって……露骨ですよ、有夏サン?」


 双方、急に声をひそめる。


 このアパートはいわゆる安普請というやつで、壁が薄いことは知っている。


 セックスの時は気にもしないくせに、今回ばかりは2人は囁くように顔を寄せた。


「夢は売りもの7」につづく



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