夢は売りもの4

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  ここで有夏はピンときた。


 幾ヶ瀬の物言いは意味深である。これは謎をふりまいて、有夏の注意を引こうとしているに違いない。


「いくせ……いや、何でもない」


 言葉にするより先に考えてみる。

 彼にしては珍しい行為だ。


 有夏はコップを床に置いた。


 喉がゴクリと音をたてる。


 今さっきお茶を飲んだばかりなのに乾きを覚えるのは、ある考えに思い至ったから。


「まんしょん、にわ……ケチで金に汚くて、がめつくてセコイ幾ヶ瀬がやけに気前のいいことを言う。これはどういうことか……うそうそ、マジか!?」


 臨時収入の匂いがする!


「夢は売りもの5」につづく


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