こうして秘密が暴かれる6

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  確かに酒が入っている様子はないが、この夜中に疲れるテンションだ。

 

 本人はストレス解消のつもりだろうが、巻き込まれる方としてはたまらない。

 

「よし。神経衰弱にしようね、有夏。よぉーし、がんばるゾッ☆」


「ゾッ☆……?」

 

 ゾッと青ざめる有夏を無視して、なんだか突然始まってしまった。

 

「負けた方は、罰ゲームとして秘密を言うんだよ。分かった? 有夏」

 

「はぁ、何そのルール」

 

 神経衰弱という名称が既にイヤだと、首を振る有夏の意志など完全に無視だ。

 

 幾ヶ瀬はさっさと座卓を部屋の端へ寄せて、床にカードを裏向けに散らし始めた。

 

「ホントにやんのかよ。で、秘密って? 何? ヤなんだけど?」

 

 物覚えが悪いと自覚があるのだろう。

 

 有夏はカードを並べる幾ヶ瀬の邪魔をする。

 じたばた手足を動かしながら床を転がった。

 

「コラ、有夏! やめてって」

 

「しんけいすいじゃくはイヤだ! 有夏の心もすいじゃくする!」

 

「はい? 何言ってんの、有夏?」

 

 散らばったカードを整えながら幾ヶ瀬、真顔である。

 

「……急に我に返るんじゃねぇよ」

 

「いや、有夏の小さな脳がショートしてるのが面白くて」

 

「小さな脳って言うんじゃねぇ」


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