こうして秘密が暴かれる9

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 「高校ん時、有夏の体操服盗んだんだ」

 

「ハイ、キタ! くると思った! 笛の次は体操服、そしてタオル。ヘンタイの所業ここに極まれり!」

 

「……思い返せばどうかしていた。今思えばタオル→体操服→笛ってのが正しい順番じゃないかな」

 

「おお、怖い。ヘンタイなりに正しい順番とか言いだしたよ」

 

 この瞬間。半袖Tシャツの有夏は一気に冷気を感じたか、自らの両腕をかき抱く仕草をする。

 

「あ、大丈夫! ちゃんときれいに洗って返しといたから。気付いてなかったでしょ。有夏って昔から物の管理が雑なんだもん☆」

 

 ハイ、有夏の番だよとの声に、再び手が反応することはなかった。

 

 有夏の目が死んでいる。

 

「有夏? 大丈夫? やっぱり有夏には神経衰弱は難しかったかな。しかたないな。続きはまた今度にしよっか」

 

 100%の笑顔でカードを片付ける幾ヶ瀬。

 

 有夏のバカははじめから~♪

 だって脳味噌カラッポだもの~♪

 

 なんて、失礼極まりない鼻歌を口ずさんでいる。

 

「あー、何かスッキリしたな。心の底にこびり付いていた澱が消えたみたい。アハハ! そうだ、有夏、キスしよ」

 

 しかし、有夏の目は死んでいる。

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