にんげんだもの(8)

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 対して有夏の反応は淡泊なものである。


「うんうん。当たった」


 言った瞬間、にまにま笑いが復活した。


「嘘でしょお……。そんなこと現実にはありえない。ア、アレだよね。6等570円とかそういう……いや、それにしたって凄いよ。実際それだって滅多に当たらないもん。ね、そうでしょ? 6等570円でしょう!?」


 有夏は無言だ。

 にまにましている。


「も、もしかして5等とか? 1,500円くらい貰えるやつ。アハッ! 初めて買ってそんなの当てるなんて凄いじゃない、有夏! 俺なんか何年の回続けてるのに1回も……」


 有夏は無言だ。

 こたつに座ったまま微動だにせず、にまにましている。


「う、嘘でしょう……。まさか……」


 幾ヶ瀬の顔から見る間に色が抜け落ちていく。

 真っ白な顔面で、彼は口だけパクパク動かした。


 ──まさか、ろくおくえんあたったの?


「え、なに?」


 ──いっとうのろくおくえんがあたったの?


「は、なに?」


 ──だから、ろくお……?


「なんて?」


「にんげんだもの9」につづく
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