にんげんだもの(4)

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 予想の範囲を超える返答に、幾ヶ瀬の顔がさすがに引きつる。


「宣言したよ、この人……。働かないって。いやいや、何言っちゃってるの……」


 宣言はなおも続く。


「有夏、働かない。宝くじを当てたりして暮らす」


「はぁ……」


 もはや声も出ない幾ヶ瀬の前で、こたつに鎮座していた有夏の表情が変わった。


 にまにま→にやりといったところか。


 何かを悟ったか──ぽかんと開いていた幾ヶ瀬の口が締まった。

 一瞬、目が大きく見開かれる。


「宝く……えっ、ちょ……いや、まさかね。有夏? いや、その…えっ、まさか……」


「ふっ……」


「いやいやいや、ありえないよね。あははっ…まさかそんなことが……」


 最悪の(?)想像が脳裏をよぎったか、幾ヶ瀬の視点が定まらない。


「にんげんだもの5」につづく
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