冬だけど…リアル怖い話(9)

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 いいかげん腹をたててもよさそうなものだがと、考え込む様子をみせる幾ヶ瀬。


「そもそも、有夏は怖くないの? れ…オ、オバケ?の画像なんて見つけちゃって」


 こいつは馬鹿だから、恐怖を感じる神経がないのかもしれないと、幾ヶ瀬が半ば本気で信じかけたときのこと。

 有夏が小首を傾げてみせた。


「別に怖くはないかな。自分家だし。幾ヶ瀬もいるし」


「いや、ここ俺ん家。有夏の家じゃないから」


「?」


「いや、ポカンとした顔しないで」


「でもまぁ、幾ヶ瀬がいるから怖くはないな」


「………………」


 突如、黙り込んだ幾ヶ瀬。

 その口元がニヤリと歪んだのは、しばらく経ってからのことであった。


「……それって、俺がいるから怖くないってこと?」


「まぁ……」


 いても役には立たないだろうけど──なんて呟きは聞こえちゃいない様子で、おもむろに宣言した。


「有夏、俺は稲川淳二大先生を尊敬しているんだ」


「はぁ……」


「なので稲川淳二大先生が主催されている怪談コンテストのチャンネルをよく見るんだ」


「はぁ……」


「その流れで、コンテスト出場者の方がアップしている動画も見るんだよね」


「はぁ……」


「そこで怪談師の方が言ってたんだ」


「はぁ……」


「冬だけど…リアル怖い話10」につづく


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