【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「ギャアアアァッ!」
喉も裂けよとばかりの絶叫。
幾ヶ瀬は両手で頭を抱え、それから前後に跳ね、さらにその場で尻もちをついた。
めげずに立ちあがり、再び声を振り絞る。
「イャァァァァッッ!」
「半狂乱じゃねぇか」
ちんまり座ったまま茶をすする有夏に、信じられないというような視線を向けてから、おもむろに幾ヶ瀬は口を開けた。
「だってコレ…どう見ても心霊現象……キャアアアァァッ! 呪われるぅぅぅ!!」
「何に呪われるんだよ、肉まんか?」
「肉まん」にツッコム余裕もないのだろう。
幾ヶ瀬は今度はその場に蹲った。
「俺が裏でいつも悪口言ってる常連マダムのメス豚さまー!ごめんなさいぃぃ!!」
「……半狂乱じゃねぇか」
にゅっと伸びた手にノートパソコンの画面をバタンと閉じられ、有夏は少々不満そうだ。
「有夏は来年発売する新作ゲームの情報収集で忙しいのに……」
ずずず……。
茶をすする有夏の肩を幾ヶ瀬がつかむ。
「何なの、有夏。何その落ち着きっぷり! ただの引きこもりじゃなくて、意外と大物なの!? それとも何? 有夏は霊能力者なの!?」
面と向かって引きこもりと言われ、有夏の眉間に皺が寄る。
「冬だけど…リアル怖い話4」につづく
「冬だけど…リアル怖い話2」につづく
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