冬だけど…リアル怖い話(3)

 【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】



「ギャアアアァッ!」


 喉も裂けよとばかりの絶叫。

 幾ヶ瀬は両手で頭を抱え、それから前後に跳ね、さらにその場で尻もちをついた。

 めげずに立ちあがり、再び声を振り絞る。


「イャァァァァッッ!」


「半狂乱じゃねぇか」


 ちんまり座ったまま茶をすする有夏に、信じられないというような視線を向けてから、おもむろに幾ヶ瀬は口を開けた。


「だってコレ…どう見ても心霊現象……キャアアアァァッ! 呪われるぅぅぅ!!」


「何に呪われるんだよ、肉まんか?」


 「肉まん」にツッコム余裕もないのだろう。

 幾ヶ瀬は今度はその場に蹲った。


「俺が裏でいつも悪口言ってる常連マダムのメス豚さまー!ごめんなさいぃぃ!!」


「……半狂乱じゃねぇか」


 にゅっと伸びた手にノートパソコンの画面をバタンと閉じられ、有夏は少々不満そうだ。


「有夏は来年発売する新作ゲームの情報収集で忙しいのに……」


 ずずず……。

 茶をすする有夏の肩を幾ヶ瀬がつかむ。


「何なの、有夏。何その落ち着きっぷり! ただの引きこもりじゃなくて、意外と大物なの!? それとも何? 有夏は霊能力者なの!?」


 面と向かって引きこもりと言われ、有夏の眉間に皺が寄る。


「冬だけど…リアル怖い話4」につづく



「冬だけど…リアル怖い話2」につづく


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