冬だけど…リアル怖い話(6)

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 もごもごと肉まんを食べ終えた有夏は、いたく満足そうに指をぺろぺろ舐めていた。

 チラリと見やるのは手を付けられていないもう一つの「白きもの」だ。


「もう少し食べる? お腹こわさない? 晩ごはんちゃんと食べられる?」


「お腹だいじょうぶ。晩ごはんもだいじょうぶ。ちゃんと食べる」


「ほんとに?」


 呆れたような苦笑いで、幾ヶ瀬が肉まんを半分に割った。

 大きいほうを差し出すと、有夏は旨そうにもふっとかぶりつく。


「へっひょくアレれひょ。うひるひゅかにゃにか」


「くっ、またこの会話か!」


 口の中いっぱいに頬張りながら喋るものだから、今回の解読はかなり困難だ。


 ──結局アレでしょ。ウイルスか何か。


「ウイルス? いやいや、待ってよ、ウイルスってことないでしょ?」


 怖々といった様子でパソコンに視線をくれてから、幾ヶ瀬は結局残りの半分の白きものも有夏にやった。

「ひゅーっ」と奇声をあげて、齧りつく有夏。


「いくれがヘンなひゃいとばっかりみへるへいれアレコレこうなっらんらね?」


 ──幾ヶ瀬が変なサイトばっかり見てるせいでアレコレこうなったんじゃね?


「変なサイトなんて見てないよ! 見て……ないよっ?」


「冬だけど…リアル怖い話7」につづく


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