【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
しかし口元はウズウズしていた。
「……霊能力者?」
「えっ?」
「有夏、霊能力者なのかな?」
「いや、知らないし!」
全力でツッコむ幾ヶ瀬。
どうやら霊能力者…というか、「能力者」というワードがオタクの琴線に触れたらしい。
この状況でニヤニヤと、それはそれは不気味な笑顔である。
「では能力者たる有夏は今、ここに肉まんを具現化させまっす!」
宙に両手をかざし「はぁぁぁっ!」と、なんだか気合をいれている模様。
「……あの、有夏?」
「我が腹を見たせしホカホカの白きもの……出でよ、肉まんっっ!!」
「…………あの、有夏?」
「で、出ない……だと?」
「………………あのぅ、有夏さん?」
呆然と手の平を見つめる有夏の背をつつき、幾ヶ瀬は呆れ顔だ。
「前回から肉まん肉まんって……そんなに食べたいならあとでコンビニ行って買ってくるよ」
「前回って、何その時間軸?」
「ああ、またこのやり取りか……」
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