冬だけど…リアル怖い話(8)

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 やっぱり地道に働くしかないんだとユーチューバーになる夢を諦めたのも含めて、苦い思い出だ。


 そんな幾ヶ瀬の前で、有夏が声を低めた。


「そうだ。あのとき屋上にいた女の人が幾ヶ瀬について来て、それでパソコンに入ったのかもしれぬ。それは……」


「それは……何?」


「それは……おまえだっ!」


「ぎゃあああっ!」


 見れば有夏はケラケラと笑っている。

 腹を抱え、涙を浮かべ、それはそれは笑い転げているのである。


「……有夏、今の脅かせ方は古典的すぎるよ」


「でも怖かっただろ」


「やめてよね……。また失神したらシャレにならないから」


 ニヤニヤと嫌な笑みを崩さない有夏。

 隙あらばまた「それは……お前だー!」とやるに違いない。


 思えばコイツにはそういうところがあったと、幾ヶ瀬の表情が険しくなった。

 風呂に入っているときに驚かせてきたのは何話のことであったか。




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