よわよわ☆テスト(11)【完】

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 あえなく両足首を持たれ、情けない悲鳴とともに幾ヶ瀬は後方にひっくり返った。


 その前に立ちはだかったのは有夏だ。

 片足で座卓を押しやると、幾ヶ瀬の足首を持ったままその場でグルングルンと振り回し始めたのだ。


「あぁぁぁーーいやぁぁぁぁーーひぃぃーー」


「アハハハッ! ハハッ!」


 深夜。

 プラザ中崎に絶叫と異様な笑い声が響く。


「ひぃーー……ひぃぃ………」


 悲鳴が掠れ、声が途絶えて、ようやく回転と笑い声は止まった。

 ぐったり萎れた幾ヶ瀬の抜け殻が、ポイッと床に放り捨てられる。


「アハハッ」


 頬を上気させて肩で息をしながら、有夏がその場に座り込んだ。


「三半規管、弱っ。よわよわっ。アハッ」


 震える手を握り締め何事か呟く幾ヶ瀬。

 覚えてろとか、このバカがという言葉が漏れ聞こえてきた。


 阿鼻叫喚の夜のできごとである。


「よわよわ☆テスト」完

「夏だから…怖い話」につづく

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