【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「憧れの地みたいなある？ 新婚旅行はここに行きたいみたいな」
「キモッ」
「アハハッ、何言ってるの、有夏。婚前旅行の間違いだったね。アッハハハッ」
「………………」
声がワントーン高い。
瞳孔は開きっぱなしだ。
これまた常軌を逸した笑い声に、有夏の視線が泳いだ。
頬がぽこぽこ動いているのは、チョコが溶けたアーモンドを口の中でコロコロ転がしているからだろう。
「そ、そうだな。あえて行きたいところと言うなら、ドラ……」
「ドラクエの世界とか言うのはナシね。進撃の巨人もダメだよ？」
先んじて封じられ、有夏はアーモンドをガリリッと噛みしめた。
「進撃の世界だけは住みたくねぇし。有夏、絶対すぐ死ぬわ。イヤな死に方だわ。それを言うなら、ドラクエだって決して平和な世界じゃないし」
「そういうの、もういいから」
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