『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す8

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「だ、だって俺のパソコンだし。登録してるカードだって俺のだし」


 悪いことをしているわけではないのだが、幾ヶ瀬も後ろめたいのか、歯切れが悪い。


「有夏こそ、おすすめが進撃の巨人のグッズばっかりだったよ!?」


「いやぁ、完結の衝撃がいつまでも色あせないっていうか。記念にポチる指がとまらなくて」


「俺の金で記念ポチやめてよ……いや、まぁいいよ!」


 幾ヶ瀬が目をぎゅっとつむって、両手を振った。

 この話はそこで終了という合図だ。


「進撃の巨人語り出したら有夏、長くなるから」


「何それ。ゲートボール大会のこと語り出したら、じいちゃん話長くなるみたいな」


「えっ?」


「……いや、別に何でも」


「えっ、ゲートボール? えっ、何が言いたいの?」


「……例え話なだけだろ! そこツッコムなよ」


「ツッコムなら別のところにしろと……うまーい、有夏! で、有夏はローション買ってほしいの?」


 何がうまーいだとぼやいて、有夏が顔を赤らめた。

 せっかく履きなおした下着を幾ヶ瀬がまた引っ張る。

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