いいところ7

【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】


  恥ずかしいくらい高い声をもらして。


 はだけた胸元を赤く染めて。


 そんな有夏を見下ろしして、うわ言のように「かわいい……」と呟き、幾ヶ瀬も全身を震わせた。


「ありか……。ナカ、出して、いい……?」


 根元まで差し込んだまま抱き寄せた耳元に囁く。


 トロリとした目で有夏が頷いた。


「んっ……腹ン中、ヘンっ」


「ごめ。あとでちゃんと掻き出してあげる、から……ね」


 できるだけ長い間、恋人の中にいたい。

 幾ヶ瀬のそれは力を失ってズルリと滑り出ても、先端部分を有夏の内部に残したままだ。


「いくせぇ?」


 有夏がもぞりと身を捩って、やっと2人は離れたのだった。


 喘ぐように激しい呼吸を繰り返して後、ようやく有夏が身を起こす。


「はぁ……もぅ、なにこれ。きもちい……」


 内部に出されたモノがドロリと動く度に、深い吐息をつく。


 隣りで幾ヶ瀬が軽い笑い声をあげた。


「そんなに気持ち良かった? ねぇ、気持ち良かった? 俺も良かったよ?」


「うわ……」


 途端、有夏が顔をしかめる。


 ネェ、キモチヨカッタって何なんだ?

 まさか行為の感想を求めているのか?


 「そんなもん聞くな、引くわ」と、いつもの調子で憎まれ口を叩く気にもなれず、有夏は押し黙る。


 頬を赤らめる有夏の腰を、幾ヶ瀬は寝ころんだままかき抱いた。

「いいところ8」【完】につづく



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