有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない7

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「でも有夏、もぅ入んない」

 

「………………」

 

 唐突に、沈黙。

 

「……今の、もっかい言って」

 

「なに? なんか言ったっけ。ありかもうはいんな……」

 

 そこで有夏、ようやく気付く。

 

「お前、まさかこの流れでそういう……!?」

 

 早く食べろと言う幾ヶ瀬の必死な形相が和らいだ。

 

 かわりに、だらけた笑みに支配される。

 

 彼の頭の中の有夏はしなをつくって「もう挿んなぁい」なんて言っているのであろう。

 

「有夏ぁ」

 

 迫る顔を有夏の掌底が押しとどめる。

 

「お前バカだろ。メシじゃなくて有夏のこと食ってどうすんだよ!」

 

「有夏、うまいっ!」

 

「うまくねぇよ。わいてんのか!」

 

 幾ヶ瀬は箸を置いて、本格的に手を出しにかかっている。

 

「ヤだよ。ヤってる間にメシが冷めましたなんて、くだらねぇオチはもうコリゴリなんだよ」

 

 でもさ、と幾ヶ瀬が声をひそめる。

 

「運動したらお腹へるかもよ?」

 

「うんどう……」






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