有夏邸 脱・GM屋敷!10

 【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】




「む、無理だよ。明日日曜だし。ランチの人手足りないくらいだし。俺、厨房とホールの両方しなきゃなんないだろうし」

 

 一瞬揺らいだ様子は見せたが、さすがの幾ヶ瀬も有夏のワガママより仕事を優先させるようだ。

 

 何だろ。他人事ながらホッとしたよ、アタシは。

 

「幾ヶ瀬ぇ……」

 

「ご、ごめんって。有夏」

 

 有夏チャン、そのまま幾ヶ瀬の胸に顔を押し付けた。

 

「姉ちゃん、奇行種だから。有夏、幾ヶ瀬が一緒じゃなきゃこわいよ……」

 

「なるべく早く帰るから。ね! 頑張ってね、有夏」

 

 ゴミ袋を握り締めたまま、ヘンタイメガネも有夏チャンの背に手を回す。

 

 2人して廊下で抱き合ってる。

 

 どうでもいいけどオマエら、アタシの存在忘れてんだろ。

 

 お隣りさんってだけで、全然関係ないアタシに掃除させといて、自分らはイチャつくってどういう神経してんだろうな!

 

 ゴミ袋をぶん投げそうになったが、辛うじて踏み止まる。

 

 チュッチュと潤った柔らかな肉同士が触れ合う音がしたからだ。

 

 ウッヒョー、これはこれは……。



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