中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想シテみる11






 有夏だかアリカだかにおねだりされて、幾ヶ瀬は大きく顔を歪めた。

「有夏っ……」

 細い両腕をつかんで押し倒す。

 少し余裕のあるイクセさんは消えていて、目つきが一気に熱を帯びていた。

 自身のそれに左手を添えて先端を有夏に押し当てると、無言で一気に沈み込む。

「んぁああっっっ」

 奥まで貫かれ、有夏の膝がガクガク震えた。

 幾ヶ瀬が腰を動かすたびに揺らぐような声をあげ、有夏の手は空中をさまよう。

 その手をつかんで握り締める幾ヶ瀬。

 震えが伝わるのだろう。
 絶頂が近いのが分かる。

 でも幾ヶ瀬の腰は動きを止めない。
 可愛い恋人の奥を細かく刺すように犯し続ける。

「イッ……せっ、も、あぁ……ぁ」

 この瞬間が終わるのが惜しくて、必死で耐えているその表情。

 応えるように幾ヶ瀬も何事か呟くが、明瞭な言葉にはならなかった。

 痙攣する下半身。

 どちらからだろうか。

 繋がったソレが大きくビクンと跳ね上がる。
 大きな波。

 ゆっくりと治まっていって、最後二人の身体は小さくヒクヒクと震える。

「……あり、か」

「なに……?」

 有夏の身体を潰さんばかりにぐったりのしかかったまま、幾ヶ瀬は長い息を吐いた。

「ふふ……有夏」

「何?」

 突然笑い出した男に対して、不審の声をあげる有夏。

「イイ線いってるのに、アリカすぐに素に戻るから」

「なに? ダメ出しされてんの? ちょ、重いんだけど。退けって」

 押し退けようとする手をつかみ、手の平を合わせて指を絡ませる。

 そのまま甘いキスを何度も。


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