【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「まぁいいや。言っちゃう」
気楽な調子で結論付けて、有夏はスッと指をさしたのは冷蔵庫だ。
正確に言うと、冷蔵庫の横にくっ付けたマグネットフック。そこにぶら下げられている網状の袋であった。
「幾ヶ瀬が夜な夜なキッチンに立って、何かブツブツ言いながらその袋に何か詰めてる。ここんとこ毎日」
「うそっ、覚えてない……。俺、何て言って……?」
「食べなきゃ。みかんを食べなきゃ。みかんの皮まで残さず食べなきゃって言ってるぅー」
語尾が異様に明るいのは、有夏なりの配慮なのだと推察できた。
「うそ。俺、そんなことしてたんだ……」
呆然と網状の袋に触れてみる。
よく見ると、中にはみかんの皮がギュウギュウと詰め込まれているではないか。
「……なにこれ」
「幾ヶ瀬、毎日みかん食べてるし。ついに憑りつかれたんだなって思って。怪談ファンだし、それもいい経験かなって思って」
有夏の苦い表情。
「ああ、そうか。有夏じゃなくて俺が憑りつかれてたのか……」
「こわい☆みかん10」につづく
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