こわい☆みかん(10)

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 あるいは両方なのか?

 みかんはその美味しさで人を虜にし、そして憑りついてしまう魔物なのだろうか。


 よく見れば手の平がまっ黄色だ。

 みかんをよく食べる人は、その色素が皮膚に沈着してこんな色になるという。


 ふるふると両手を震わせて、幾ヶ瀬は宣言した。


「信じられないけど俺、俺……みかんに憑りつかれたんだ。どうしよう……」


「どうしようって言っても、もうどうしようもないよね」


「冷たっ! 待って待って。決めたよ。俺、この恐怖体験ひっさげて来年の怪談グランプリにエントリーする。優勝間違いなしだよ!」


「う、うん……」


 びっくりするくらいのポジティブ思考である。


 もしかしたら稲川大先生にお会いできるかもしれないと、幾ヶ瀬は鼻歌交じりにみかんの皮の状態をチェックしてはじめた。

 乾燥して小さく縮んでいるものを触って「よしよし」と頷いている。

 目がバッキバキだ。


「こわい☆みかん11」につづく



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