こわい☆みかん(5)

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 「……もう入ったてば」


「チッ」


 幾ヶ瀬の返答に、有夏は明らかに不機嫌そうに首を振った。


 何話での出来事だったか(例によって作者は忘れてしまった!)。

 風呂に入っている幾ヶ瀬を、外から扉を叩いて驚かせるという恐怖の演出を試みて以来、有夏は隙あらば同様のことをしようとするのだ。


 回を重ねるごとにエスカレートしてゆく恐怖の演出。

 今日は風呂に閉じ込めて、怪談話でも聞かせようという魂胆だったのかもしれない。


 そうそう同じ轍を踏んでたまるかと、幾ヶ瀬は成長したのだ。

 稲川淳二大会を開催するなら、その前に風呂を済ませるのが必定。


「チッ、つまんねぇな」


 座卓の上に置いていたみかんをすべて腹に収めて、有夏はコロリとその場に寝転んだ。


「ダメだよ、有夏。寝てすぐに横になると牛になるよ?」


「おばあちゃんかよ」


 幾ヶ瀬が自分の膝をポンポン叩くと、有夏はズルズル這ってきてそこに頭を乗せた。


「こわい☆みかん6」につづく
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