秘密の撮影会10

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 「……そんなこと思いつく幾ヶ瀬のが、よっぽと性格悪い」


 それもそうだねと言いながら、なおも諦める様子のない幾ヶ瀬。


 床に座り込む有夏の両脇を抱えると、ズルズルとベッドに引っ張りあげた。


 そうしてから、自分は少し距離をとって中腰にカメラならぬスマホを構える。


「有夏サンの初体験はいくつの時?」


「はぁ?」


「お、いいねぇ。恥ずかしくてほっぺたが赤くなったねぇ」


「幾ヶ瀬? おま、何言って……?」


「んー、駄目だよぉ? 言わなくちゃ。初体験はいつ?」


 無意味に「いいね、いいね」と言いながら幾ヶ瀬、満面の笑みである。

 立て続けのシャッターの電子音に、有夏のため息が重なった。


「ねぇ、有夏のはじめては……」


「しつこいなぁ! あ、有夏のはじめては……いくせが知ってるだろが!」






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