秘密の撮影会2

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『ピロッ♪ ピロリ~ン♪』


 苛つく電子音が眼前で鳴った。


 ついで幾ヶ瀬の嬌声。


「やった! 撮れた! あっ、ちょっと目ぇ開いてる。でも、イイっ! 逆にセクシー! いいよ!」


「………………」


 電子音以上にイラッとくるこの感じ。


 ぱちくりと開かれた有夏の大きな目は、次の瞬間、険悪に細められた。


「何やってんだよ!」


 手を伸ばすと、幾ヶ瀬は「アアッ!」と大袈裟に叫んで身をよじる。


 その悲鳴に、有夏のイライラはさらに募ったようだ。


 水色のストライプ模様のパジャマを、それはそれはきちんと着こんだ幾ヶ瀬はスマホを胸に抱きしめている。


 通話とメールができりゃ良い。あとは時計と目覚ましになりゃそれで良いと豪語する幾ヶ瀬が、スマホを触っているのは珍しい。


 嫌な予感に襲われた。





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