秘密の撮影会4

【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】



  いつもならばそのまま冒頭の続きに突入して、揉めごとなど忘れてしまうところだが、今夜の有夏は違った。


 一瞬の隙をついて平手で幾ヶ瀬の頬を張る。


「アデッ? ひどいっ!」


 パンッと小気味良い音が鳴ると同時に、さすがに怯んだ相手の手からスマホを取り上げてやった。


 待ち受けが目に入り、ゾッとする。


「何これっ!」


 日付とアナログ時計の表示の下に、半目をとじて口を突き出した自分の間抜け面を見たからだ。


「ちょっと、有夏。返してよ」


 スマホをひょいと取り上げて袖口で画面を拭く幾ヶ瀬に、悪びれた様子はない。

 張られた頬が赤くなっているが、さしたるダメージもなさそうだ。


「おま……、それ、さっき! やっぱり写真とって……消せよっ!」


 案の定というか、当然というか。幾ヶ瀬は首を振る。


「秘密の撮影会5」につづく



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