ヘンタイメガネの変態たる所以7







「有夏に近付くムシは一匹残らず俺が叩き落とす! あんたなんていつだって潰せるんだ!」

「ヒィィ……」

 この場合ツブすって、物理的な意味かもしれない。

 社会的立場がどうとかじゃなくて、巨人が人を握りつぶすみたいな。

 こうプチッと……。

 アタシが心底ビビって、鼻をたらしてしまったものだから、ヘンタイメガネは逆に我に返ったようだ。

 アタシの鼻水を見て露骨に顔をしかめた。

 き、汚くてごめんなさいね。

 でもアンタのせいだろうが。

「出て行ってからもう3時間……。あの可愛い有夏が外になんか出てみろ。たちまち物陰に引きずり込まれてレイプされるじゃないか!!」

 ……いや、我に返ったわけでもなさそうだ。

「今頃、糞みたいな奴に可愛い太もも撫でさせてるんじゃないだろうな。今夜の宿の為に糞みたいな奴の糞チンコしゃぶらされてるんじゃ……ああ、気が狂いそうだ!」

 それから超音波みたいに「キィーーーッ!」と叫んだ。

 人ん家で発狂すんじゃねぇ!

 いやいや、逆に凄いわ。アンタのその発想が!

「ま、まぁー、まぁまぁ」

 アタシとしちゃハハハと笑うしかない状況なわけだ。

「まぁまぁ、落ち着いてください。あの人もそんなバカじゃないでしょ」

 じっとりした目つきで、ヘンタイメガネがアタシを睨む。

「いや、あの外見からは想像つかないけど、有夏はもの凄く頭が悪いんだ。信じられないくらい勉強ができないんだ」

「そ、そうなんですか」

 え? 薄々は気付いてたけど、何かイヤだな。イメージ崩れたな。

 聞きたくなかった情報だな。





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