【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
「アダッ!」
ガチッと音が鳴り、双方、口を押さえて俯いてしまった。
歯が激突したのだ。
かなりの勢いだったから、ジンジンと激しい痛みに有夏ときたら涙ぐんでいる。
「中学生じゃないんだから……」という幾ヶ瀬の言葉を遮ったのは有夏だ。
「なんで有夏が学校行っただけで別れるとか言うんだよッ!」
拳で涙を拭うと幾ヶ瀬の膝に腰をおとし、おでこを彼の肩に押し付けた。
「ぜったいヤだっ!」
「あ、有夏……?」
幾ヶ瀬の両手は有夏の腰を持つべきかどうか、オロオロと宙をさ迷っている。
「いっしょって言った! ずっと!」
叫ぶ声は、最早震えている。
痛みとは違う感情でうるうると瞳を濡らす、素直な視線が痛くて幾ヶ瀬は咄嗟に顔を伏せた。
「ご、ごめ…有夏……」
「ごめんじゃない! 絶対ヤだし! 別れないしぃ!!」
「おやくそく7」につづく
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