【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
大概失礼な言い草に、有夏の口元が強張った。
構わず、幾ヶ瀬はブツブツと続ける。
「この1年、ろくに学校に行ってなかったから安心してたのに。なのに先週は二日も大学に行ったっていうじゃない! どうしちゃったの!」
「……どうしちゃったのって幾ヶ瀬のがどうしちゃっただよ」
憤慨する有夏になど目もくれず、幾ヶ瀬は尚も失礼極まりない言葉を吐き続けた。
「もしも有夏が毎日ちゃんと大学に通ったら?」
「もしもたまたま運よく卒業なんてできたら?」
「もしも有夏が(まさかの)就職でもしたら?」
そこまで言うと、幾ヶ瀬の食いしばった歯の隙間から「ヒーーーッ」と変な声が漏れた。
「もしもメス豚共の目に留まってしまったら? い……いや、大丈夫。一言でも喋ろうものなら馬鹿がバレてメス豚は離れていくだろう。いや待って。忘れちゃいけない。有夏はコミュ障なんだよ。喋らないから周りは誤解したままだ」
ふたたび「ヒーーーッ」と叫ぶと、今度は頭を抱えるではないか。
「ヒーーーッ! どうしよう。彼女なんて作ったら!」
さらなる「ヒーーーッ」は四度目か?
「おやくそく5」につづく
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