そのイタズラは正義か悪か4

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  瞬時に悟ったのだろう。

 ああ、これは復讐なのだと。


 前々回(←その時間軸は何だ?)明らかになった過去の過ち。

 笛をペロペロした件、その他もろもろの件。

 つまり、有夏は怒っていたのだ。


「ああ……俺の考えが甘かったんだ。有夏は頭カラッポだと思ってたから。何かあっても、すぐに忘れちゃうと思ってたから」


「なに?」


「い、いえ。何でも……」


 幾ヶ瀬の目尻からこぼれる涙を見やり、有夏はニヤリと口の端を歪めた。


「ヘンタイにはアルミホイルが似合うかと思って」


「な、何の関連が?」


 グッと喉を詰まらせる幾ヶ瀬。

 瞬間的に脳裏に何パターンかの対応が浮かんだようで。


 ごめんなさい、お許しくださいと土下座するパターン。

 俺だって有夏に悪戯しちゃうぞ☆と押し倒すパターン。

 いくら何でも悪戯が過ぎると説教に持ち込むパターン。

 抱きしめて髪を撫で、愛していると何度も囁いてやろうかなんてことも。


「いくせ?」


「………………」


 結局、幾ヶ瀬がとった行動は、有夏に背を向けて布団を頭から被ることだった。


「もうちょっと寝かせてください……」


 背後で有夏がプウッと頬を膨らませる気配。


「つまんねぇやつだな、幾ヶ瀬」


「そのイタズラは正義か悪か4」につづく

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