そのイタズラは正義か悪か3

【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】


「ありか……何なの、これ……」


 銀色のそれは、よく見れば皺だらけである。

 テラテラと光る不気味な銀──そう、アルミホイルだ。


「ビックリしたろう?」


「あ、ありか……」


 アルミホイルをクチャクチャに丸めて、寝ている幾ヶ瀬の口の中にねじ入れたのだ、この男は。

 信じられないという、抗議の視線を気にする素振りもない。

 本人は悪戯のつもりなのか。


 艶っぽい笑顔をみせる有夏の目元は少し腫れていた。

 おそらくワクワクで一睡もせずに決行(アルミホイルを口に入れる)の瞬間を待ち構えていたのだろう。


「ありか……。周回遅れのハロウィンじゃないんだからね? イタズラにしたって、限度ってものがあるんだからね……」


「え、なんですか?」


「あり……ふざけっ……いー、いーーーっ」


「イー」の口で何度も息を吸う。

 歯と歯の間に新鮮な空気を通して、アルミホイルの不快な歯触りを消し去ろうとしているのだ。


「幾ヶ瀬、アルミホイルと噛むと電流が流れるんだって。知ってた?」


「いや、知らな……」


「なんとか電流っていうらしい。ツバを介して、歯の詰めものとアルミホイルの間で電流が流れるんだって。不快極まりないだろ? グー○ル先生が言ってた」


「ひぃ、怖ろしい! 何なの、この子!?」


 しれっとした表情でグーグ○先生から得た知識を披露する有夏に、幾ヶ瀬は肩を震わせた。


「そのイタズラは正義か悪か4」につづく


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