ランチ休憩に、蜜4


「有夏……」

 幾ヶ瀬は苦笑する。

「早く、何?」

 苛立ったように有夏が息を吐いた。

「……知ってるくせに」

 言ってくれなきゃ分かんないなぁ、と幾ヶ瀬の口調は今度は意地の悪いものとなる。

「触ってほしいの? それとも舐めてほしい?」

「……幾ヶ瀬ぇ?」

「どっち? 触るか舐めるか……有夏が決めて」

「さ、わる……」

 か細い声。

「どこを触るの? 乳首? それともこっち?」

「うあっ、あぁ……んっ」

 有夏の腰が跳ねた。

 咄嗟に片手で己の口を押さえるが、漏れる喘ぎは隠せない。

「ココなんだ。有夏、気持ちよさそう……」

 幾ヶ瀬の左手の中指。

 その先が有夏の入口を弄う。

 指を動かすたびに有夏の唇からは熱い息が漏れる。

 じわじわと指先は有夏の内部に侵入し、中指の爪が見えなくなるくらいの処で、一旦引き返す。

「いっ……く、せっ、ヤぁだっ!」

「ん? 何が嫌なの?」

 同じ箇所を何度も出入れするたびに、有夏は腰をくねらせた。

 目元が赤く染まり、途切れ途切れの喘ぎ声は徐々に高くなっていく。

「う……ん、んっ……!」

 有夏の前から先走りが迸り、ドロリとした液体が股を伝って下りてくる。

「有夏、感じすぎ。そんなに俺に触ってほしかったの?」

「ちがうしっ!」

「違わないでしょ」

 垂れてきた白濁液に指を絡めて、滑りを良くした幾ヶ瀬の手の動きは少しずつ速さを増していった。

「や、あっ……んあっ」

 徐々に奥深く挿ってくる指から逃げるように腰を引くのを、まるで捕まえるように幾ヶ瀬の右手が有夏の左手に絡まる。

「有夏、指……何本挿ってるか、分かる?」

「やめっ……そっゆうの……ヤだっ、んっ」

 有夏、かわいい──見下ろす幾ヶ瀬が頬を歪める。

「ほら、何本? そんなに感じてるんだから分かるでしょ? 当てるまでこのままだよ? 有夏の欲しいの、挿れてあげられないよ?」

 存在感を示すつもりか、指先が内部でくねくねと動く。

 その度に有夏の液は飛び散り、腰は崩れる。

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