【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
脅かし方が徐々に雑になっていくのだが、幾ヶ瀬は律儀に反応してくれる。
有夏の腕の筋肉がプルプル痙攣するのは、笑いながらも必死で扉を押さえているからだ。
外から鍵は掛けられないものだから、できるだけ長く楽しむためには力で扉を押さえるよりほかない。
「ほら、鏡の奥にいるから! 見えるから! ほぉら!」
「やめ……はぅっ…………」
笑い転げてから、有夏は異変に気付く。
すりガラスの向こうに幾ヶ瀬のシルエットが見えないのだ。
「お、おい?」
まさか失神した?
それとも兵隊さんに連れていかれ……?
「ウソウソ。超事故物件じゃん」
言いながら扉を開けた有夏。
瞬間、悲鳴がほとばしる。
水流が顔面を直撃したのだ。
冷たさに一瞬目がくらみ、何が起こったか理解できない様子。
「ほら、有夏も! へいたいさんの血だよっ!」
言いながらシャワーを構える幾ヶ瀬。
「あ、あんなに怖がってたのに。幾ヶ瀬め、よくも……」
片手で顔を拭っている間に、全身をずぶぬれだ。
「久しぶりにお湯を浴びたら我に返ったんだよ。心霊写真なんて、どうせ有夏がやったんだ。くらえっ!」
散々脅かされた復讐を果たした故か、幾ヶ瀬の表情の晴れやかなこと。
「お風呂をめぐるあれこれ(表)(13)」につづく
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