そうだったのか、胡桃沢家10【完】

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「挿れてって言ってる、のにっ! いくせっ、ん、んっ……んんっ」


 反射的な動きで幾ヶ瀬がティッシュを当てがい、双方の精液を受け止める。


 ブルッと全身を震わせて、有夏の全身から力が抜けた。


「有夏、明日掃除終わったら……いや、多分無理か。日曜の夜にちゃんとしよ。ね?」


 身を起こそうとした幾ヶ瀬の腕を、有夏がしっかりつかむ。


「だぁめ。挿れろって言ったのに。罰としてずっと有夏の上に乗ってろ」


 ぐいと引っ張られ、幾ヶ瀬の身体が有夏の上に倒れ込む。


「で、でも重くない?」


「重いけど、いい。あと、ギュッてしろ」


「有夏ぁ?」


「早く!」


 まるで脅されたように怖々と有夏の身体に腕を回すと、花がほころぶように有夏が微笑した。


「幾ヶ瀬、なんか言うことない?」


「好きだよ、有夏」


「ん。よし。」


 抱き合ったまま2人は顔を見合わせ、笑みを交わした。

 

「そうだったのか、胡桃沢家」完


12「有夏邸 脱・GM屋敷!」につづく





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