覗いたときは事後でした4



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「有夏、気持ちよさそ……。そりゃ俺もナマがいいよ。有夏と俺の間にたとえ0.02mmであっても邪魔があるなんて耐えられない」

 振り返った有夏が、やや呆れたように顔を顰めていたからか、幾ヶ瀬は我に返ったように声のトーンを落とす。

「でも、有夏の身体に負担をかけるのは俺だって辛いんだよ? ナマと変わらないくらいに薄いやつだってあるし、逆に突起のついたやつなんかもあるから、色々試してみてもいいんじゃない?」

「突起って……え、なにが?」

 許容量を超えたらしい。

 何の話だと言わんばかりにポカンとしている。

「だからコンドームにイボがいっぱい付いてて、擦ると刺激がってやつ」

「うわぁ……なにそれ」

 有夏の目元が険しい。若干引いているのが分かる。

「買ってこよっか?」

「いいよ!」

「いいって使っても良いってこと?」

 当然わざと言っているわけだが。

 違う違う、いらないよと、可愛く慌てる有夏の姿を見たいがために。

 もっとも実際は「死ねよ、変態」と罵られただけだが。

「わ、分かったよ、ゴメン。他のことはそうでもないのに、有夏はセックスのこととなると恥ずかしがり屋さんになるね」

「セッ……はずか……? うっ」

「今日だってせっかくこの前の娼館の続きしようと思ってたのに、有夏が恥ずかしがるから」

「恥ずかしがったつもりはねぇけどな!」

 全力で拒否ったつもりらしい有夏は、憐れむように目を細めて幾ヶ瀬を見やる。

「今度は他の客編をしようと思ったのに」

「編って……」

「有夏がちゃんとノれるように色々考えてたんだけど。どう?」

「どうって聞かれる意味が……」

「イクセさんが仕事忙しくて来られない時に、前からアリカを狙ってた男か半ば強引に……」

「キモっ!」





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