にんげんだもの(3)

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 幾ヶ瀬も唖然とした表情の後、呆れたように息をついた。


「辞めてどうすんの。来月からどうやって暮らすっていうの。有夏が養ってくれるって言うの!?」


「ふっ、ふふっ……」


 攻撃の矛先が自分に向いたことに、しかし有夏は気にする様子もない。

 柔らかく微笑んだまま、微動だにせずこたつに鎮座しているではないか。


 急須を傾けてカップにお茶をいれながら、幾ヶ瀬の愚痴は尚も続こうとしていた。


「あのね、大人は仕事が嫌だから辞めるって訳にはいかないんだよ。有夏だって分かるでしょ」


「ふふっ」


「このさいだから言うけど、こないだ早起きしたとき、本当は学校行ってないでしょ。行ったふりして電気屋のゲーム売り場にずっといたんでしょ。分かるんだよ、そういうのは。もちろん有夏のお姉さんからかかってきた電話には、ちゃんと学校に行ってますって言っといたけどね。ねぇ、分かるんだよ?」


「ふふっ」


「学校が嫌なら、一回アルバイトでもしてみたら? ねぇ、聞いてる!? ねぇ、せめてアルバイトでも……!」


 微笑を湛えながら、有夏がゆっくりと首を振る。


「ううん。有夏、働かない」


「はぁっ!?」


「にんげんだもの4」につづく
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