春の嵐(20)

 【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】

「指、何本挿れてほしい?」


「ゆびぃ?」


 不満そうにぼやく有夏。


「何で? しようよぉ」


「だって有夏、掃除しなきゃ駄目じゃない」


「もういいって。姉ちゃん帰ったし」


 有夏の可愛らしいこと。

 自分で上着の裾をまくったまま、乳首を見せてくれている。


 ガン見しそうになるのを懸命にこらえ、幾ヶ瀬は視線を逸らせた。

 いかなる時でも冷静さを失わないのは俺の信条だ──何故だか幾ヶ瀬はそう自己評価している。


「学校がどうとかで忘れるとこだったよ。俺たちの前には大問題が立ちふさがってるじゃない!」


「だいもんだい?」


「掃除だよ!」と幾ヶ瀬は叫んだ。


「だって、掃除は気付いたときにしなきゃいけない。掃除を後回しにしてもロクなことない。常に掃除の必要がないくらいに掃除をしていなきゃいけない。ねぇ、そうでしょ?」


「なに、その掃除三か条は……。取り憑かれてんの?」


「春の嵐21」につづく

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